事実婚はダメ?法律婚との違いから手続きまで経験者が徹底レクチャー

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毎年たくさんのカップルが結婚に踏み切る一方、その1/3は離婚という結論を選ぶといわれています。そんな中、事実婚という新しい形の夫婦が生まれているのも現実。今回は、なぜ事実婚を選ぶのかということから手続き、良いところ&困ること、まで一挙にご説明します!

目次

1.事実婚って一体なんなの?法律婚との違い
2.法律婚の何が嫌なの?法律婚との違い
3.事実婚の良いところ、困るところ
4.事実婚の手続きに必要なことは?・・・原則ない
5.個人的なことは政治的なこと

事実婚って一体なんなの?法律婚との違い

昨年の7月、はあちゅうさんの事実婚宣言を目にした方も多いのではないでしょうか? でも「事実婚ってそんな宣言することなの?」「えっなんで普通に結婚しないの?」などいろんな疑問が湧いた方も多いでしょう。

実は、今これを書いている私も事実婚を選択した1人。私自身は、周りに「事実婚です」なんて宣言しておらず(どちらかというと宣言すらしたくない派)、聞かれたらそれとなく答えています。

法律婚と事実婚の大きな違い

では、法律婚と事実婚、具体的には何が違うのでしょうか?

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一番は、法律上の扱いがもろもろ異なり受けられる法的保護が違うこと。法的に見ると、やはり事実婚よりも法律婚の方がメリットが大きくなります。

法律婚は、婚姻届を提出するため、法律上正式な妻と夫になり、日本民法上苗字は1つに統一しなければいけません。他方、法律上も家族となるため、他方が一方の法定相続人となり自動的に法定相続分が得られることになります。このほか税制上も、配偶者控除を受けられるなどの優遇措置があり、クレジットカードの家族カードを作ることも可能。つまり、財産的な補償やサービスも受けられるわけです。

一方事実婚は、法律上夫婦ではありませんが、カップルが夫婦同然の関係を築いていることを指します。手続きとしては、必ず必要なことはなく、苗字はバラバラ、相続は不可(遺言は可能。)という扱いです。言い方は悪いですが、法律上の扱いとしては、付き合いの深い他人レベルです。

したがって大きな違いは、法的に家族なのか、事実上の家族なのかという点にあります。

法律婚の何が嫌なの?なぜ事実婚を選ぶのか

では、なぜ事実婚を選ぶ方がいるのでしょうか?

よく言われているのは「現行の婚姻制度自体に反対である」、「夫婦同姓に反対」、「苗字を変えるのが面倒」などですが、実際の事情はさまざまです。

ブロガーのはあちゅうさんもやはり「姓の変更の不便さ」を一番の理由に挙げていました。会社や取引先に給料や報酬の振込先を変えてもらったり、名前が変わったことをお伝えしなければいけなかったり、実生活への影響が大きいと考える方は多いようです。

結婚後は、女性の姓が変わるのが一般的であるため、

・銀行口座の名義変更
・職場での各種手続き
・その他、名前が変わることで必要な公的・私的手続き

などの手続き上の負担を一方的に背負うことになります。

また、最近では、これ以外でも「対等な関係を築きたい」「家同士のつながりを避けたい」「法律婚のメリットが実質的にない」という理由もあるようです。

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私自身は、大学院にいたときに結婚の話が出ました。そのとき「結婚すると相手の名前で学位とるんだよ。それでもいいの?」とゼミの先生に言われ、「確かに途中で名前が変わって、彼の名前で学位もらうのってなんか違う」と…。

それだけでなく、法律を勉強していると、結婚が特に「紙切れ」の問題と感じるようになったこともあります。さらに、結婚することによって今の関係がかわってしまうのではないかという不安も大きかったのです。相手に頼りたくないし、逆に依存もして欲しくない。法律上他人なら、お互いを尊重しあえるかもしれないと思いました。

あと、自分の面倒は自分でみたいので相続も必要ないと思いました。あくまでお互いを支え合うパートナーです。

事実婚を選ぶ人の事情はさまざまですが、法律婚と事実婚を天秤にかけ、「実際上各個人の生き方にそぐわない」人が選んでいると推測できます。

豆知識・選択的夫婦別姓訴訟
現在、夫婦別姓を認めないのは「憲法24条2項、14条1項違反であり平等原則に反する」という訴訟が進行中です。これまで何度かあった主張なのですが、今回は選択的夫婦別姓が「外国人と日本人の婚姻なら認められるのに、日本人同士の婚姻で認められないのは合理的区別ではない」という論理展開をしている点で異なります。3月の判決次第では、今後夫婦別姓が制度化される可能性もあるので注目です。※参照ニュー選択的夫婦別姓訴訟

事実婚の良いところ&困るところ

では、事実婚の実際上のメリットやデメリットってどんなところにあるのでしょうか?個人の感想を踏まえて考えてみました。

事実婚の良いところ

事実婚の良いところは、ズバリ苗字を変えなくて済むこと=もろもろの手続きがないことです。

これ以外でも、以下のようなメリットがあります。

・お互いの家族とならずに済むため、親戚付き合いも微妙な関係を保てる(人による)
・対等な関係が長続きしやすいこと
・伝統的な家族観にとらわれずに済むこと
・「結婚式の有無」「家族への紹介」「パートナーとしての形」など全て2人で相談して決められること

「事実婚はすぐ別れる」と言われることもありますが、個人的にはこれ逆だと思っています。家族としての守られた枠がないので、お互い常に尊重する気持ちを保てます。私は弱い人間なので、多分結婚したら「給料少なくても相手に稼いで貰えばいいやーー」となっちゃいます。

でも、籍も入れてないし良い意味で期待もしてないので「自分で自分の面倒みなきゃ、稼がなきゃ」と思います。お金以外でも、一番近い他人として良い距離感が保てるので、精神的にも依存しなくなりました。

事実婚で困ること

困ることは、法律婚と同様に家族的なことをしようとすると手続きのハードルが上がることです。具体的には以下のようなことで、困ります。

・家買うなどのときに共同名義でローンを組むのは手続きが必要
・クレジットの家族カードを作れないので家計が面倒
・子どもができたら認知の手続きが必須
・普通じゃないので周囲を困惑させること

個人的には一番困るのは「周囲を困惑させてしまうこと」です。「結婚に興味がありません。結婚式しません、籍も入れません。」と言うと、必ず「なぜ?どうして?本当は結婚したいんでしょ?彼が嫌がるの?籍くらい入れたほうがいいよ」といった質問攻め&半攻撃を受けます。

相手の気持ちも理解できるのですが、話してもこちらの意図を理解してもらえないことが多いため「説明する意味あるのかな」と思うこともあります(ごめんなさい)。なので「私変わってるんです」と答えることも…。

事実婚の手続きに必要なことは?・・・原則ない

先に言った通り、事実婚の手続きに特に決まりはありません。

クレジットカードの家族カードを作りたい・家のローンを組みたいなどの希望がある場合は、住民票の続柄に「妻・夫(見届)」と記載するという方法事実婚に関する公正証書を作成するという方法もあります。別にそれまでも必要ないという方は、お互いが「事実婚です」と思っていれば成立します。

豆知識・パートナーシップ制度
いくつかの自治体では、パートナーシップ制度を施行しているため、事実婚でも公的な保護が受けられるケースがあります。「パートナーですよ」っていう公正証書受領証を発行してもらえるので、部屋を借りたりローン組んだりも楽なはずです。基本的には、同性カップル向けですが、千葉市は異性カップルでも受理してもらえます。

法律上は「婚姻の意思を持っていること」「3年以上一緒に生活をしていること」「できたら公の関係で夫婦同然の扱いがされていること」などが必要となりますが、法律上の恩恵を必要としないケースでは、これらを押さえる必要もありません。

あえていうなら、「通常のお付き合いとは異なり、将来を見据えたパートナーとしてお互いが認識している」ことでしょうか。これも、おそらくカップルごとに異なるでしょう。

個人的なことは政治的なこと

ひと昔前は、公にはいえない理由で「結婚できない」、「彼が結婚してくれない」など後ろ向きな理由が多かった事実婚。しかし現代では、それぞれの家族の形に合わせるために事実婚を選択するという人が増えています。

よく考えてみると、さまざまな価値観が認められつつある時代だからこそ、「家族観だけはそのまま」というのは難しいのかもしれません。第二波フェミニズムのスローガンとなった「個人的なことは政治的なこと」という言葉がありますが、インターネットやSNSが発達した現代では昔より個人の問題が政治的な課題としてクローズアップされやすい時代になったといえるかもしれません。

日本では公式な結婚の形は1つですが、これからはさまざまな家族の形が認められていく可能性があると信じ、見守り続けたいです。

yuikomore

司法浪人中にこの世界に浸かってしまったフリーライター。無駄に法務博士(職業)の学位あり。ノマド女子と言いながら、在宅ワークが多いのが最近の悩み。もう一度NY...

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