映画「心のカルテ」に見る女性の痩せたい信仰。日本人女性の盲点とは?

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映画「心のカルテ」は、リリー・コリンズ主演の拒食症がテーマの作品。拒食症の闇にあるリアルな問題を映し出しています。拒食症は「痩せたい」「キレイになりたい」という女性の想いとリンクしているのです。そこで今回は、映画をご紹介した上で、日本人女性も陥りがちな「痩せたい信仰」の問題点について考えます。

目次

1.拒食症の現実をリアル描いた傑作「心のカルテ」
2.痩せてキレイになりたいは万国共通
3.日本人女性は痩せ過ぎ?
4.それでも痩せたいのはなぜか?
5.本当の美しさは自信から生まれる

拒食症の現実をリアル描いた傑作「心のカルテ」

先日、友人に勧められ「心のカルテ」という映画を見ました。”拒食症”をテーマにした内容という話は聞いていたため、「重い内容なんだろうな」と早合点して、少し気後れ…。実際に見てみると、確かに深刻なシーンもあるのですが、基本的にはカジュアルな雰囲気で進んでいきます

ストーリーは、リリーコリンズ演じる”エリン”が拒食症の専門施設を出るところから始まります。エリンは、家族の勧めで急進的な医師の指導を受けるため、とある施設に入所することに。そこでは、家族が住むような普通の住宅で、数人の拒食症患者が暮らしていました。はじめは生活に慣れない主人公もそのうち仲間意識のような感情が芽生え、少しずつ変化を見せていく…という物語です。

この映画の中では、キレイなモデルの記事を見ながら、“「こんな風になりたい」と思った次のページに、「美味しそうな食べ物の写真」がある”というセリフがあります。現代の女性は、美のイメージをさまざまなメディアから受け取ると同時に、食に関する豊富な情報を受け取ることができるため、心の中でさまざまな葛藤が生まれがちです。

最終的に世間が求める美を達成するためには、心の中で大きな決断が必要になります。大きな決断は、安易で極端な解釈を生みます。それは「痩せるためには食べない」が正解というもの

痩せてキレイになりたいは万国共通

先進国において「痩せてキレイになりたい」という女性の考えは、ほぼ共通しています。しかし、このような流れの先に拒食症があるのです。ファッション界では、痩せ過ぎモデルが死亡する事件が起きており、この流れを変えようとする動きも徐々に大きくなっています。実際に、2017年にパリコレが開かれるフランスでは、「BMI18以下のモデルは起用してはいけない」という法律が制定されました。

また、アメリカではプラスサイズモデルも人気です。アシュリー・グラハムさんは、プラスサイズモデルとして活躍し、多くのブランドの広告を務めています。彼女は「自分自身の美しさに目を向けることの大切さ」に気づくことで、非現実的なボディイメージを渇望する風潮がなくなっていけばいいな」と語り、それぞれの女性の美を受け入れるべきだと主張しています。

しかしながら「痩せた方がキレイ」という価値観はいまだ根強く、いまだこれを覆すには至っていません。

日本人女性は痩せすぎ?

では、日本ではどうなのでしょうか。

私個人の経験では、出会った女性で「痩せたい」と一回も口にしたことない女性に出会ったことがありません。どんなに細い女性でも、「ここをやせなきゃ」という表現をすることが多いと思います。最近では、筋肉をつけたヘルシーな体が流行っていますが、脂肪をおとして筋肉をつけるためには筋トレや食事制限が必要で、過度なダイエットを繰り返す人もいます。平成27年度の厚労省の国民健康・栄養調査では、20代女性の平均BMIは20.82、30代女性では20.78です。この結果からも分かる通り、日本人女性の多くは痩せているのです。

私は、生まれてこのかた「ぽっちゃり」と言われることが多かったので、多くの女性と同じようにダイエットは常にしてきました。そんな私がアメリカに行ったとき衝撃的だったのは、「君は、skinny(=細すぎ)だよ」と言われたこと。日本では、ぽっちゃりと言われるのに、「なんだこの違いは?!」と思ったのを鮮明に覚えています。

「痩せている・痩せていない」については、体の大きさや文化の違いも大きく関係しているのでしょう。アメリカではメリハリのあるグラマラスな女性がセクシーでキレイと考えられているため、このような違いが生まれたのかもしれません。

それでも痩せたいのはなぜか?

では、日本人女性は痩せているにもかかわらず、なぜもっと痩せたいのでしょうか?

「拒食症はダメ!」でも、私はそこまでじゃないし、脂肪があるから大丈夫。こんなセリフは良く聞きますよね。私も同じように思うことがあります。でも実は、本当の意味は違うところにあるではないでしょうか。

モデルさんやキレイな女優さんと違うから痩せたいんじゃないでしょうか?世間が植え付けた「キレイな人」「細い人」と自分を見比べて、違う点を探す。そして、違うところを「悪いところ」と決めつけ、直そうとする。これがダイエットを行う人の根底にあるような気がします。

もちろんこれ以外にも要因はあるでしょう。世間が求める美でなければ「損をする」ケースもありますし、周囲からのプレッシャーを受ける人もいます。でも、周囲の目や世間のイメージに固執すると、「痩せても満足できない」は続いていくのです。

本当の美しさは自信から生まれる

痩せてキレイになりたいと思うのは、悪いことではありません。

自分に自信が持てるようになるのなら、多少のダイエットは効果的だと思います。しかし、気づいて欲しいのはダイエットは自分が本当に求めているものなのか世間でのイメージや周囲の意見がメインになっていないか自分らしい美しさを目指すものであるのかということです。

本当の美しさは、内面から生まれるものです。どんな体型でも自信を持っている女性はかっこいいと思いませんか?根拠なんて必要ありません。分の欠点も認めて受け入れることが自信となるのです

さて映画の話に戻ります。キアヌ・リーブス演じるベッカム医師は、拒食症患者を以下のように表現します。

「君たちは痩せたいんじゃない。ただ気分を良くしたいんだ。吐いて、気が楽になればそれでいいんだよ。依存症患者と同じだ」

映画「心のカルテ」より

もしこのセリフに対し、心にひっかかるところがあれば考えてみるべきかもしれません。本当にキレイになりたいだけなのか、それとも自分の中で消化できないストレスや悩みが原因なのかを。

最後に、2018年グラミー賞受賞歌手でもあるアレッシア・カーラの言葉を添えます。私も、自分に対する見方を見つめ直そうと思いました。

「Often times, the world both directly and indirectly tells us that  we shouldn’t happy with ourselves if we don’t fit certain beauty standards. Scars To Your Beautiful is reminder that beauty isn’t only one look, shape, size, or colour. it isn’t even always tangible. It comes in an endless amount of forms and we need to recognize that.」

「世界はよく直接的または間接的に、いわゆる美の基準にあてはまらないと幸せになれないと、訴えてきます。「Scars To Your Beautiful」は、美というものは、1つの見た目、形、サイズ、肌の色だけではないということを思い出してもらうための曲です。美はときに、目に見えないものですらあります。美には、数え切れない多くの形があるのです。私たちは、それをしっかりと認識すべきです。」

出展:Alessia Cara / Scars To Your beautiful のMVより

 

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yuikomore

司法浪人中にこの世界に浸かってしまったフリーライター。無駄に法務博士(職業)の学位あり。ノマド女子と言いながら、在宅ワークが多いのが最近の悩み。もう一度NY...

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